占星術の天体のお話vol.11「冥王星」
西洋占星術で使う10の天体。
今回は「破壊と再生」の星。
冥王星についてお話ししたいと思います。
冥王星の基本情報
<冥王星>
*天体記号 ♇
*年齢域 99~115歳
*公転周期 248年
*基本的な意味
・普通でないこと・究極
・カリスマ
・生と死
・継承・遺伝
冥王星は「極限・究極」を表す
1930年に発見された天体です。
ギリシャ神話の死者の国の神さまであるハデスのように恐れられている星です。
1930年代にあったことは「原子力」の発見や、政治的にも独裁者が多く輩出された時期だったことから、生と死、破壊と再生、普通ではない極限の状態、といった意味をもつようになりました。
また、冥王星は他の太陽系の天体と異なる性質が多々みられたため、2006年に天文学的な分類として、惑星から準惑星へと変更された経緯もあります。
冥王星が表すのは「普通ではないこと」です。
これまでの天体がもたらしてきた困難。
例えば、土星の忍耐や、天王星の予想外のトラブル、海王星のもやもやした不安など、これまでの天体で経験したようなできごとはあくまで「普通のこと・可能性があること」ですので、それ以上のものが起こったとき…こんなことが自分に降りかかるなんて、と思うレベルのことがでてきたときは、冥王星の影響を考えます。
ここぞというときに大きな大きなこと…まさに一度すべてを破壊して、新しく作り直すような、大きな変動を起こすのが冥王星なのです。
太陽系の最も端っこに存在している冥王星は、太陽系の外の流れやエネルギーを太陽系に引き込む役割があるとされています。
それはまさに私達の「常識の外」からの流れ。
これまでの制限や限界を壊し、新しい価値観や概念を運んでくるとも言えるでしょう。
太陽系のいちばん外側に存在している冥王星は、銀河や宇宙の流れをいち早くキャッチして、内側にある海王星→天王星→土星へと、内側にどんどんと伝えていきます。
その変容のチカラには有無をいわせないパワーがあり、新しい流れには抗う事ができないと言われています。
気付けば、馬車は自動車になり…
気付けば、街の小さな商店はコンビニとショッピングモールだらけになり…
そんなように、これまでの常識が新しいものに生まれ変わる時には、冥王星のもたらす変化があると考えられています。
ただ、この現象をどのように捉えるか?は人それぞれです。
「進化や発展」と捉えるか?
「破壊や再生」と捉えるか?
どう捉えるか?はあなた次第です。
冥王星は、248年の長い長い時間をかけて、太陽の周りを周回し、1つの星座に12~32年滞在します。
長時間の滞在でゆっくりと構築されてきた常識や概念を、全く別の解釈に変えてしまうそのチカラは、破壊と再生のように捉えられてしまっても、仕方のないことなのかもしれません。
私達が意識すべきことは、変化の準備をする事とその変化に順応する事なのかもしれませんね。
何か大きなものを成し遂げたいというときは、冥王星をチェックしてみてください。
冥王星は、根本的な変容をもたらし新たな世界を創り上げていく「社会的なテーマ」を表し、個人や社会までを超えて「時代を司る存在」
そんなふうに覚えてください。
並大抵のことでは、冥王星の力を使いこなすことは難しいでしょう。
自分自身では少し負荷だと思うほどの頑張りや、自分のこれまでの枠を超えていく覚悟が必要になりますが、大きな負荷や大きなできごとを経験するからこそ、得られるものも大きなものになるはずです。